寝る前に爪を切ろうと思ったら、
「夜に爪を切るのは良くないよ!」
と、遊びに来ていた甥っ子から指摘されました。どうやら、彼は以前私の母から聞いた話を思い出していたようです。私自身も子供の頃、同じようなことを母から聞かされた経験がありますが、その時の「夜」が正確に何時までを指すのか、詳しくはわかりませんでした。
そんな疑問が頭に浮かんだら、気になって仕方がなく、すぐに調査を始めました。
今回は、その調査結果などをみなさんにお伝えしたいと思います。
夜の爪切り、何時までなら許される?切ってもいい時間とは
まず最初に結論からお伝えします。
・夜の爪切りはいつでもOK
これが答えです。調査した結果、「夜の何時までに爪を切らなければならない」という具体的なルールは存在しないことがわかりました。そのため、夜中に爪が伸びて気になったとしても、切ってしまって問題ないのです。
しかし、「夜に爪を切ると親の死に目に立ち会えない」という言い伝えがあるのは事実です。
親の死に目に会えないというのは縁起が悪いですし、できるなら避けたいもの。そのため、夜に爪を切ってはいけないと気にしている人が多いと言えます。
では、この迷信が生まれたのはどういったことからか?これについてお伝えします。
「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」は本当なのか?
「夜に爪を切ると親の死に目に立ち会えない」という言い伝えは、実際には迷信に過ぎません。ウィキペディアによれば、迷信とは以下のように説明されています。
人々に信じられていることのうちで、合理的な根拠を欠いているもの
出典:Wikipedia
すなわち、合理的な根拠や科学的な証拠が存在しないが、一般に信じられている事柄のことを指します。そのため、「夜に爪を切ってはいけない」という迷信は、信じる必要はないと解釈することができます。
「夜に爪を切ると親との別れが早まる」迷信が生まれた背景とは?
「火のない所に煙は立たぬ」と言いますよね。したがって、「夜に爪を切ると親との別れが早まる」という迷信も何らかの理由から生まれたと考えられます。その根拠を探るために調査を行ったところ、いくつかの要素が見つかりました。
スサノオの追放がもたらした迷信の説
日本神話における主要な神、スサノオをご存知でしょうか^^ 彼は非常に暴力的な性格を持っており、そのために高天原から地上へと追放されてしまったのです。
しかも、彼が追放された際には「手足の爪を抜かれ」という恐ろしい状態だったと伝えられています。
さらに、「追放された者は家に入れてもらえない」という記述も存在します。そう考えると、親の住む家に入ることが許されなければ、当然、その親の死に目に立ち会うこともできないでしょう。それが、「爪を切ると親の死に目に会えない」という迷信の起源となったと考えられます。もしかしたら、スサノオが爪を抜かれたのは夜だったのかもしれませんね(^^;
「夜爪」が「世詰」に聞こえる説
「夜に爪を切る」を略すと「夜爪」になります。しかし、この「夜爪」を聞くと、「世詰」と聞こえることもあるのです。
そして、「世詰」は「世を詰める、つまり命を短くする」と解釈され、避けられてきました。
命が短くなるということは、「親の死に目に立ち会えない」という意味につながります。これが、「夜に爪を切ってはいけない」という迷信の起源となったのかもしれません。
「夜詰」が「夜爪」へと変化した説
戦国時代には、現代と同じく城での夜勤が存在し、それは「夜詰」と呼ばれていました。しかし、その仕事は厳しく、非常に重要な役割を果たしていたのです。そのため、親が急に病に倒れても家に帰れない状況もあったのです。
そうした状況から、「夜詰」が「夜爪」に変化し、その迷信が生まれたという説が存在します。
親不孝を避けるための説
古代には電気のような明かりが存在せず、夜に爪を切るのは暗さから非常に困難でした。特に、現代のような爪切りが存在しないため、小刀などの刃物を使って爪を切るしかなかったのです。その結果、怪我をしたり、それが原因で病気になり、親よりも早く亡くなる可能性もありました。
そのため、親が子供たちに「夜に爪を切らないように」と教えるために、「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」という迷信が生まれたという説が存在します。
焦げた爪の匂いが不吉とされた説
かつて、夜に爪を切り、それが囲炉裏に落ちて焦げてしまったという話が存在します。その時に出た匂いが火葬の際のそれと似ていたため、驚いたという話があります。
その事件から不吉な事とされ、命が短くなるとも噂されるようになったのです。これが「夜に爪を切ると親の死に目に立ち会えない」という迷信の起源となったという説もあります。
やはり夜に爪を切ることは気になるもの
そんな時は、古代から伝わる特別な言葉を唱えると良いですよ^^ それを紹介しますと、
「夜切る爪は鷹の爪」
「誰の爪切るの?猫の爪」「どこに捨てるの?藪の中」
「何の爪切る猫の爪切る」「明日は旅立ちやれ急がし」
などがあります。これらは、爪を切る作業が終わるまで続けて唱えることが推奨されています。
もちろん、これも迷信の一つではありますが、心の安定には役立つかもしれません。これらの言葉から読み取れるのは、「切っている爪は自分の爪ではない」というメッセージを伝えることですね^^
爪を切るのに最適なタイミングは?
夜に爪を切ることが問題ではありません。しかし、爪を切るのに最適なタイミングとは何かというと、
・自分が清潔な状態であること
が最も大切です。
手をしっかりと洗い、爪の汚れをきちんと取り除いた状態で爪を切るのが理想的なタイミングと言えます。ただし、この時に爪に潤いを与えておくことが望ましいです。
また、お風呂上がりに爪を切るのも良い方法ですが、その場合は切りすぎに注意が必要です。なぜなら、湿った爪は膨らんでいるため、乾いた時に深爪になりかねないからです(^^;
爪を切る適切なタイミングは?
爪の成長速度は個人により異なりますが、一般的な成人の場合、「10日で約1㎜」と言われています。これを基に考えると、爪を切るのに最適な間隔は約2週間に1回とされています。
安全性と美しさを兼ね備えたおすすめの爪切り
爪を切る際には、できるだけ美しく整えたいですよね。そして、それが安全に行えれば尚更です。そこで、おすすめの爪切りをいくつかご紹介します。
電動爪切り
一度の充電で約3ヵ月使えます。指先にフィットするアーチ型。寝ている赤ちゃんにも使える静音設計。削った爪が舞い散ることもなく衛生的です。
ネイルニッパー
巻き爪や厚い爪などちょっと難しい爪のケアでも大活躍。おしゃれな専用カバー付きで収納にも便利。
関孫六の爪切り
刀匠、関孫六から生まれた爪切りです。その切れ味は、厚い足の爪でも簡単に切れ、評判が高いです。美しく仕上がる爪の形状には感動すること間違いなしですよ~^^
ふるさと納税で買えるのはお得です🎵
まとめ
「親の死に目に会えない」と言うのはその時になってみるとやはり悲しいものです。
私自身も数週間前まで元気だった父を急になくしました。入院して間がなく、まだ大丈夫だろうと思っていたのです。しかし、急変して遠方からの帰省では間に合いませんでした。
せめて最後に声をかけたかった。何か話したかった、という後悔はあります。
こういうつらさが「親の死に目に会えないのは避けたい」という昔からの人々の思いがこのような迷信が語り継がれているのかもしれません。
夜に爪を切るべき時間が特定されているわけではありません。そして、「夜に爪を切ると親の死に目に立ち会えない」という話は迷信に過ぎません。ですから「爪を切る」ということだけを考えれば、爪を切りたいときに切るのが一番良いのです。
ただし、夜に爪を切る時は、爪をきちんと洗った上で、明るい場所で行いましょう。そうでないと、誤った場所を切ってしまい、怪我をする可能性がありますからね。
「親の死に目に会えない」というのが気になる方は、親御さんが元気な間にちょくちょく顔を合わせているといいかもしれませんね。