繰り返し記号の読み方と使い方、入力方法について

記事内に広告が含まれています。

「少々」「スヾメ」「学問のすゝめ」など、日本語では特定の文字を繰り返す際に特別な記号を使用することがあります。これらの「々」「ヾ」「ゝ」は繰り返し記号として広く使用されています。

 

では、繰り返し記号にはどんな種類があるのでしょうか?また、これらをパソコンやスマートフォンで入力するにはどうすれば良いのでしょうか?

 

この記事では、繰り返し記号の種類、それらの読み方、使い方、そして入力方法を詳しく解説します。

 

 

\ポイント最大46.5倍/ 楽天市場ブラックフライデー<PR>11/21(木)20:00スタート

「々」「ヽ」「ヾ」「ゝ」「ゞ」「〃」「仝」「〱」「〲」の解説:意味と活用方法

「々」「ヽ」「ヾ」「ゝ」「ゞ」「〃」「仝」「〱」「〲」は、通常の文字とは異なる特別な記号です。これらは、多様な名称で呼ばれることがあり、主に以下のような呼び名があります:

 

– 繰り返し記号

– 踊り字

– 反復記号

– 重ね字

– 送り字

– 畳字(じょうじ)

 

ここでは、これらを総称して「繰り返し記号」と呼びます。

 

「繰り返し記号」は、同じ文字を繰り返す際にその省略形として用いられます。例えば、「少々」「スヾメ」「学問のすゝめ」という語句は、繰り返し記号を用いない場合、「少少」「スズメ」「学問のすすめ」と表記されます。

 

 

繰り返し記号の歴史とその変遷

中国の殷時代(紀元前17世紀から紀元前1046年頃)には、同じ文字を重ねて表記する際に「=」マークを使用して、「子子孫孫」を「子=孫=」と表記していたことが記録されています。

 

漢字は紀元4世紀から5世紀にかけて中国から日本に伝わりましたが、その際に繰り返し記号も一緒に伝えられたかどうかは明確ではありません。

 

日本では奈良時代(710年から794年)以前から繰り返し記号の使用が見られ、奈良時代の終わり頃に編纂された「万葉集」には「何時毛〻〻〻(いつもいつも)」という形で使用されています。

 

平安時代(794年から1185年)になると、ひらがなやカタカナが登場し、これらの文字にも繰り返し記号が適用されるようになりました。最初は「〻」という記号が用いられていましたが、時間が経つにつれて、ひらがなでは「ゝ」、カタカナでは「ヽ」という形に進化しました。

 

これらの記号の歴史的変遷について、さらに詳しく解説します。

 

 

「繰り返し記号」の使い方と読み方

様々な繰り返し記号の読み方と具体的な使い方をご紹介します。

 

「々」

読み方:この記号は「同の字点」「ノマ」「ノマ点」と呼ばれています。この呼称は、「ノ」と「マ」が合わさった形状に由来しています。

 

使用例:

– 漢字が続く場合に使用します。

– 例えば、「日々」「威風堂々」「点々」「子々孫々」など。

– 人名にも使用されることがあります。例:「佐々木」「奈々子」。

 

「ゝ」「ゞ」

読み方:これらは「一の字点」「ひとつ点」とも呼ばれ、濁点が付いている場合でも読み方は変わりません。

 

使用例:

– ひらがなが連続する際に使用します。

– 例:「こゝろ(こころ)」「まゝごと(ままごと)」「つゞく(つづく)」「いすゞ(いすず)自動車」など。

– 人名にも使われることがあります。「もゝ子」「すゞ子」など。

 

「ヽ」「ヾ」

読み方:これらも「一の字点」「一つ点」と読まれ、濁点の有無にかかわらず同じ読み方をします。

 

使用例:

– カタカナが連続する際に使います。

– 例:「スヽキ(ススキ)」「タヽミ(タタミ)」「シヾミ(シジミ)」「スヾメ(スズメ)」など。

 

「〃」

読み方:「ノノ点」「ノノ字点」、あるいは「同じく記号」として知られています。

 

使用例:

– 文章中で同じ語句や内容を繰り返す際に用います。

– 表やリストで前述の内容を繰り返す場合に便利です。

– 例:スポーツ大会のスケジュールで、同じ会場を示す際に使用されます。

 

「仝」

読み方:「どう」と読まれます。

 

使用例:

– 「仝上」と書いて「同上」と同じ意味を示します。

– 表やリストで一つ前の行と同じ内容を示すのに使用されます。

 

「〱」「〲」

読み方:これらは「くの字点」と呼ばれ、濁点がある場合でも読み方は変わりません。

 

使用例:

– 縦書きで文字を繰り返す際に使います。

 

 

繰り返し記号の入力方法とその注意点

繰り返し記号を入力する際には、「おなじ」とタイピングすると、関連する記号が変換候補に表示されます。ただし、使用しているスマートフォンのOSやモデルによっては表示されない場合もあります。

 

また、「くりかえし」や「どう」と入力すると、特定の繰り返し記号が変換候補に現れることがあります。

 

PCで「くの字点」を入力する方法は以下の二つです。

 

  1. 方法一:

– Microsoft IMEを日本語入力モードに設定します。

– 「おなじ」と入力して変換を行います。

 

  1. 方法二:

– Microsoft Wordを開き、レイアウトを縦書きに設定します。

– Microsoft IMEで「おなじ」と入力し、変換ボタンを押します。

– その後、くの字点の上部と下部をそれぞれ入力します。

 

スマートフォンでの詳しい入力方法は明確にされていません。

 

「くの字点」は環境依存文字であり、異なるデバイスで表示が変わる可能性があるため、文字化けを防ぐために使用を控えるのが一般的です。環境依存文字とは、異なるシステム間で互換性がなく、表示が不安定になりやすい文字のことです。

 

 

文書作成における行頭禁則文字の注意点

文書作成時には、繰り返し記号を含むいくつかの特殊文字を行頭に置くことが禁止されています。これらは「行頭禁則文字」と呼ばれ、文の先頭に配置すると読みやすさに影響を与えるため、使用が避けられます。

 

行頭禁則文字には以下のような文字が含まれます:

– 読点「、」

– 句点「。」

– 感嘆符「!」

– 疑問符「?」

 

これらを行の始まりに使用すると、テキストの視覚的なバランスが損なわれ、読みにくくなったり誤解を招いたりする可能性があります。そのため、パソコンでのタイピングだけでなく、手書きの文書でもこれらの文字を行頭に配置しないよう注意が必要です。

 

一部の固有名詞を除くと、公式文書や教育資料では「ヽ」「ヾ」「ゝ」「ゞ」「〃」「仝」「〱」「〲」などの使用が控えられており、「々」だけが比較的よく使われています。たとえば、福沢諭吉の「学問のすゝめ」などの古典的な文献ではこれらの記号がよく用いられていますが、現代では見かけることが減っています。これは、デジタルデバイスでの文書作成において、これらの記号が原因で文字化けする可能性があるためかもしれません。

タイトルとURLをコピーしました