多くの方が「グリーン車」と聞くと、新幹線を思い浮かべるかもしれません。
実は、普通列車にも特別な座席区分が設けられています。
この記事では、JR東日本の特等席でどのような車内サービスや商品が提供されているのかをご紹介します。
次回の旅行計画にぜひお役立てください。
JR東日本のどの路線でグリーン車を利用できるのでしょうか？
本記事では、JR東日本の運行区間において、グリーン車が利用可能な路線を詳しく解説します。
利用できる路線は限定されています
JR東日本では、一部の路線に限りグリーン車サービスが提供されています。利用可能な主な路線は以下の通りです。
・湘南新宿ライン
・上野東京ライン
・東海道線
・高崎線
・宇都宮線
・横須賀線
・総武線（快速のみ）
・常磐線（快速のみ）
・伊東線
また、中央線には現在グリーン車が導入されておらず、導入が予定されているのは早くても2024年度末となっています。
主要な鉄道路線と特別車両の案内
本記事では、以前に紹介した特別車両が設置されている主要な鉄道路線について詳しく解説します。
湘南新宿ライン
池袋や新宿を発点とし、神奈川県の湘南地域へ向かうこの路線は、大宮で高崎線や宇都宮線へと接続します。赤羽から大宮間ではさいたま新都心を通らず直通します。
上野東京ライン
上野から東京エリアを経由し、高崎線や宇都宮線とつながるこの路線は、都心と北関東を結びます。
東海道線
東京駅を起点に、神奈川県熱海市までを結ぶ東海道線は、途中川崎市や横浜市を通過します。この路線の一部はJR東海が運営しています。
高崎線
上野駅から始まり、群馬県高崎市までを結ぶ高崎線は、上野から大宮まで宇都宮線と同じルートを通ります。大宮を越えると、埼玉県の上尾市や深谷市を経由し、最終的に高崎市に到達します。この路線には、快速アーバンを含む快速列車が運行されており、一部の駅は通過します。
宇都宮線
上野駅から栃木県宇都宮市までを結ぶ宇都宮線は、上野から大宮まで高崎線と同じルートをたどります。大宮から先は、埼玉県の久喜市や茨城県の古河市を経由し、宇都宮市に至ります。快速ラビットという快速列車が運行されており、特定の駅を通過するルートです。
横須賀線
東京駅を起点に神奈川県の久里浜までを結ぶこの路線は、武蔵小杉を通過すると東京都から神奈川県へと入ります。
総武線
中野駅から始まり千葉駅までを結ぶこの路線は、東京都内から千葉県へと直接アクセスします。途中、中央線と同じルートを走りながらも、一部区間では中央線が通過します。総武線は中野、御茶ノ水、秋葉原を経由し、錦糸町を通って千葉駅に至ります。
常磐線
上野駅を起点に、茨城県の友部駅までを結ぶ常磐線は、上野から北千住、松戸市を経由し、土浦市を通って友部駅に到達します。友部駅では、水戸線との接続もあります。
伊東線
伊東線は神奈川県の熱海市から伊東市までを結ぶ路線で、紹介される路線の中で最も短く、全6駅から構成されています。
特定路線における運用制限
以前紹介した特別車両が導入されている路線には、運行形式に応じた制限があります。たとえば、常磐線と総武線では、これらの車両は快速列車でのみ運行されており、各駅停車では利用できません。利用を考える際にはこの点に注意が必要です。
特別車両の設備詳細
特別車両には、バリアフリー対応の専用トイレやリクライニングシートが装備されています。一方で、Wi-Fiの提供は非常に限定的で、ほとんどの路線では使用できません。Wi-Fiが利用可能なのは横須賀線の快速列車だけです。
JR東日本以外のエリアでのグリーン車利用状況
この記事では、JR東日本以外の地域におけるグリーン車の利用状況と車内販売の提供状況について詳しく見ていきます。
他地域でのグリーン車の採用状況
JR東日本を除く他の地域、具体的には西日本、九州、東海、北海道では、グリーン車の提供が限られています。
JR北海道
JR北海道では、一般の列車にグリーン車が設けられていない一方で、特急列車に限りグリーン車サービスが提供されています。
JR東海
JR東海においては、東海道線を中心にグリーン車が運行されており、車内販売も実施されています。ただし、このサービスは東海道線と伊東線に限定されています。
JR西日本
JR西日本地域では、特別車両（グリーン車）の導入は行われていません。関西地域などでは、JR線と私鉄が同じルートを共有しており、大量輸送のニーズに応えるため、特別車両の設置は見送られています。さらに、山陰や山陽地区では、特急列車が運行されていますが、在来線には特別車両が設けられていません。
JR九州
JR九州では、特急列車でのみ特別車両が運行されています。これらの車両は特急サービスに限定されており、通常の列車には含まれていません。
グリーン車のチケットの購入と利用方法
グリーン車のチケットの購入方法と利用について説明します。適切な方法で購入すれば、利用もスムーズになります。
グリーン車の運賃詳細
JR東日本のグリーン車の運賃に焦点を当てています。Suicaを使用した購入と窓口での直接購入では、料金が異なります。
| 距離 | Suicaを使用した料金 | 窓口での通常料金 |
| 50kmまで | 750円 | 1,010円 |
| 100kmまで | 1,000円 | 1,260円 |
| 101km以上 | 1,550円 | 1,810円 |
注意：グリーン車チケットの子供割引はありません。大人料金と同じです。また、料金は季節に関わらず一律です。スマートフォンのモバイルSuicaやSuicaの定期券もこの料金が適用されます。
グリーン車を利用する際は、該当区間の普通乗車券か定期券が必要で、席は全席自由席となっています。また、グリーン車のデッキに立っている場合でも、グリーン車チケットが必要です。
チケットの購入方法
先にグリーン車チケットの料金について説明しましたので、次に購入手順をご紹介します。
①駅の改札内やホームに設置されている自動券売機から、対象列車のグリーンチケットを購入できます。Suicaカードを使用してチケットを購入する際は、購入者全員のSuicaカードが必要になります。Suicaで支払う場合、券売機ではチャージできないため、使用前にチャージしておく必要があります。
②モバイルSuicaを利用した購入も可能です。利用日前にスマートフォンのアプリを使って、乗車する駅と降車駅、時間を設定し購入します。モバイルSuicaでは、車内でもグリーンチケットを購入することが可能です。
グリーン車での乗車方法
①グリーン車に乗車して座席についたら、席の上部にあるSuicaマークにタッチしてください。タッチするとランプが赤から緑に変わり、使用開始が確認できます。紙のチケットを使用している場合は、乗務員が来た際に提示し、確認を受けます。
②座席を変更する場合、Suicaで乗車している場合は、現在の席をオフにして新しい席でタッチし直す必要があります。紙のチケットで乗車している場合、この操作は必要ありません。
※乗り越し分の精算は乗務員では対応できませんので、下車時に駅で手続きしてください。また、タッチを忘れると座席が他の乗客に取られる可能性があるため、注意が必要です。
このシステムは、宇都宮線での試験導入時に使用され、当初は無料で提供されました。スマートフォンやモバイルSuicaでも同様にタッチが必要ですので、お忘れなく。
モバイルSuicaと物理Suicaカードの比較
以前触れたSuicaの使用に関する詳細を、表形式でさらに明確に整理しました。これにより、どちらの形式がより便利かが理解しやすくなります。
| Suica | モバイルSuica | |
| チケット購入する際人数分必要か | 〇 | 〇 |
| グリーン車に乗ったらタッチは必要か | 〇 | 〇 |
| 改札を通す必要はあるか※ | × | × |
| 車内でチケットを購入できるか | × | 〇 |
| 席を移動する時は再度タッチ必要か | 〇 | 〇 |
注: モバイルSuicaを使った場合、車内でチケットを購入することができます。また、乗車予定が確定した時点であらかじめチケットを購入することが可能です。どちらの方法でも改札を通る必要はありません。
グリーン車で利用可能な車内販売アイテム
このセクションでは、グリーン車で提供されている車内販売アイテムについて説明します。急いで乗車する際でも、事前に販売アイテムを知っておくと便利です。
飲料とスナック類
グリーン車内での販売アイテムは多岐にわたります。ペットボトルのお茶やジュース、コーヒーなどの飲料が豊富に用意されています。アルコール類の販売は一時期制限がありましたが、現在は再開しています。スナックやおつまみ類も取り揃えられています。販売スタイルは、新幹線で一般的なカート方式ではなく、バスケットを使用した手持ち式で行われています。
お弁当は非取扱
新幹線と異なり、グリーン車ではお弁当の販売は行っていません。乗車前に販売の有無を確認しておくことで、急いで乗車した際の不便を避けることができます。全ての調査により、どの距離でもお弁当の取り扱いは確認されていません。
車内販売での支払いオプション
車内販売時に利用可能な支払い方法について詳しく説明します。各支払い方法を事前に把握しておくことで、スムーズに取引ができます。
交通系ICカード
JR東日本のSuicaだけでなく、PASMOやICOCAなど、全国的に発行されている多くのカードが利用可能です。これらはJR東日本のグリーン車における車内販売でも利用できます。
クレジットカード
JR東日本内での車内販売では、JCB、VISA、Mastercard、アメリカン・エキスプレスなどの主要クレジットカードが使用可能です。ただし、JR東海エリアではこれらのクレジットカードは利用できません。
その他の方法
交通系ICカードやクレジットカード以外では、QRコード決済のような方法は利用できません。現在、これらの支払い方法には対応していない状況です。ただし、モバイルSuicaは交通系ICカードとして扱われるため、利用可能です。
JR東日本のグリーン車における車内販売の状況まとめ
JR東日本のグリーン車における車内販売の状況について調査した結果をまとめました。グリーン車の車内販売は、JR東日本とJR東海の特定路線でのみ実施されており、JR西日本の路線では実施されていません。また、グリーン車を利用する際には乗車する全員分のグリーン券が必要です。
調査中に特に驚いたのは、グリーン車が予想以上に限定されたエリアでしか走っていないこと、そして新幹線に比べて普通列車のグリーン車の導入が限られていることでした。また、車内販売ではお弁当を扱っていないことも意外でした。これは、おそらく運行されている距離が比較的短いためかもしれません。
今後の行楽シーズンや夏休みにグリーン車を利用される方々にとって、この情報が役立つことを願います。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
