【初心者向けガイド】四国霊山寺での初訪問【四国八十八ヶ所巡り】

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四国の霊場巡りを初めて体験する方へ、スタート地点である霊山寺での過ごし方を詳しくご案内します。

 

四国八十八ヶ所巡りとは

「四国八十八ヶ所」とも称されるこの巡礼は、「お遍路」としても知られています。親しみを込めて「四国さん」「八十八ケ所」とも呼ばれます。

 

この巡礼は平安時代の僧、空海(弘法大師)に由来し、四国内の88の寺を訪れることに意義があります。

 

これらの寺院は、空海によって創設された真言宗の教えに基づき、人々を災難から守るために建立されました。

 

空海は生前、これらの寺を霊場として巡礼路を整備しましたが、彼の入定後、多くの修行僧によって実際の巡礼が行われるようになりました。入定は、精神を極限まで集中させ瞑想する修行で、空海は現在も高野山で永遠の瞑想を続けていると信じられています。

 

彼には、醍醐天皇によって「弘法大師」という名誉ある称号が追贈されました。

 

四国八十八ヶ所は徳島県、高知県、愛媛県、香川県にわたり、各県に特定数の寺が存在します。徳島には23ヶ所、高知に16ヶ所、愛媛に26ヶ所、香川に23ヶ所が設置されています。

 

これらの寺を巡ることは、多くの人にとって精神性を高める旅となります。巡礼者は通常「お遍路さん」と呼ばれ、敬意を持って接されます。

 

 

霊山寺:四国八十八ヶ所霊場のスタート地点

四国地方には、霊場として有名な八十八の寺院が点在しており、これらを訪れることで知られる巡礼が存在します。これらの寺院は一般に「札所」と呼ばれています。

 

巡礼者は、それぞれの札所で参拝を行い、名前や住所が記入されたお札を納めて、訪問の証とします。中でも霊山寺は最初の札所であり、一番札所として親しまれています。寺院は次のように番号付けされています:

 

  1. 霊山寺 — 一番札所
  2. 二番札所
  3. 三番札所

  1. 八十八番札所

 

霊山寺は徳島県鳴門市に位置し、奈良時代に聖武天皇の勅願により僧侶行基が創建しました。815年には弘法大師がこの地で修行を行い、霊場としての基盤を固めました。

 

霊山寺が一番札所である理由にはいくつかの説があります:

 

地理的位置

弘法大師は四国巡礼の出発点として、地理的に東北角に位置する霊山寺を選びました。

 

交通の便

昔、本州から四国へ向かう際には船が主要な交通手段で、最もアクセスしやすい鳴門市に近い霊山寺が一番札所に選ばれました。

 

巡礼のスタイルには、「順打ち」と「逆打ち」があります。順打ちでは霊山寺から始めて八十八番札所で終えるのに対し、逆打ちではその逆の順序で行います。

 

 

霊山寺訪問ガイド:四国八十八ヶ所巡礼の始まりと準備

霊山寺は四国八十八ヶ所巡礼の第一番札所として、訪問時の手引きをご案内します。

 

巡礼に必要な用品の準備

霊山寺に到着後、巡礼に必要な用品をそろえることから始めましょう。

 

寺内の納経所には巡礼用品を扱う売店が併設されており、参拝者はここで御朱印を受け取ることができます。

 

また、寺の門前にある商店街でも、様々な巡礼グッズが販売されています。

 

霊山寺では、他の寺では手に入りにくい完全な巡礼グッズセットを提供していますので、訪問時に必要なものはここで揃えることをお勧めします。

 

日常的に使う消耗品(ろうそくや線香など)は他の寺でも一般的に販売されていますが、大きなアイテム(菅笠や金剛杖など)は納経所で購入する方が確実です。

 

その他の小物は事前にネットで購入することも検討してください。

 

巡礼で必要なアイテムは個人のニーズに応じて選べます。必要なものだけを選んで、自分にとって最適なアイテムを揃えるようにしましょう。

 

納経帳

納経帳は、四国八十八ヶ所巡礼の各寺院を訪れた記録として、各寺ごとに一ページが割り当てられています。お参りした証として御朱印を集めるのに使用します。

 

菅笠の意味とその象徴性

菅笠は、日差しから身を守るため、また雨天時に頭部を覆うために用いられる伝統的な笠です。この笠には特別な文字や意味が記されており、その詳細は以下の通りです。

 

  • 梵字

この梵字はサンスクリットで記され、「ゆ」と発音されるもので、弥勒菩薩を象徴し、霊的な保護を提供するとされています。着用時はこの梵字が前に来るように調整します。

 

  • 同行二人

この表現は、巡礼者が一人で旅をしているときでも、弘法大師が精神的に同行しているという意味合いを持っています。

 

  • 迷故三界城

「迷故三界城」とは、人が煩悩や欲望によって精神的な自由を得ることができない状況を表しており、三界(欲界、色界、無色界)に縛られることを意味します。

 

  • 悟故十方空

この言葉は、「真の悟りを得ることで、全方位に広がる自由な世界が開かれる」という意味を持ちます。

 

  • 本来東西無

「本来東西無」とは、世界には東も西も本来存在しないということで、これは人間が作り出した概念にすぎないと教えています。

 

  • 何処南北有

この表現は、「南北という区切りも人間が定めたもので、真実の世界はそうした境界に縛られることはない」と述べています。

 

これらの言葉は、「迷いが三界に縛られる原因であり、悟りによって真の自由が得られる。実際には東西南北という区切りは存在しない」と解釈されます。これらはかつて真言宗や禅宗の葬儀で使用された言葉であり、お遍路で亡くなった人のために菅笠が棺代わりに使用されることもありました。

 

白装束(びゃくえ)

白装束は、お遍路の際に着用される正式な衣装であり、古くは死装束としての意味も含んでいました。厳しい巡礼の途中で亡くなる可能性に備えてこの装いが用いられたのです。現代では、通常の服の上に白装束を着用することが一般的です。

 

金剛杖(こんごうじょう)

金剛杖は、弘法大師を象徴し、巡礼で最も重要なアイテムの一つとされています。この杖は大師の分身として扱われ、非常に大切にされています。昔は、巡礼中に亡くなった際に卒塔婆の代わりとしても使われました。今も杖の上部は卒塔婆の形をしており、布で保護されています。

 

輪袈裟(りんげさ)

輪袈裟は袈裟の簡易版で、僧侶だけでなく一般の人も寺院訪問時に着用します。これは仏教徒の象徴であり、食事やトイレの際には脱ぐのがマナーとされています。

 

数珠(じゅず)

数珠は本式と略式の二種類があります。本式数珠は108個の玉で構成されており、特に真言宗の信者に一般的ですが、各自の宗派に応じた数珠の使用も適切です。略式数珠は玉の数が少なく、どの宗派の信者でも使用可能です。

 

経本(きょうほん)

経本には、各寺院のご本尊の真言や般若心経が含まれています。ご本尊とは、その寺で最も崇拝される尊い存在であり、真言はその深い真理を表す秘密の言葉です。

 

納め札(おさめふだ)について

奉納札は、四国八十八ヶ所霊場を巡る際、訪れる各寺院の本堂と大師堂にそれぞれ一枚ずつ捧げる札です。つまり、一つの寺院に対して二枚の奉納が必要とされます。

 

奉納札には次の情報を記入します:

 

  • 参拝年月日:

例:令和◯年◯月◯日

 

  • 住所:

例:東京都渋谷区〇〇(詳細な住所の全記入は不要です)

 

  • 願意(願い事):

家内安全、無病息災、開運招福、心願成就など。内容が多い場合は裏面に記述します。

 

  • 氏名・年齢:

氏名と満年齢を記入します。

 

奉納札は訪問前に準備しておくことが推奨されます。奉納札の色は巡礼回数によって以下のように変わります:

 

– 1~4周:白

– 5~6周:緑

– 7~24周:赤

– 25~49周:銀

– 50~99周:金

– 100周以上:錦(受注生産)

 

奉納札は、巡礼者同士の交流や、地元の方々によるお接待の際の感謝の印としても用いられます。お接待とは、見返りを求めずに食事や宿泊の支援を提供する地元の文化です。

 

巡礼時の供え物と用具

巡礼中に各寺院で供える主なものは線香とろうそくです。これらに火をつける際の着火具を準備することが大切で、風防付きのライターや100円ショップで手に入るライター用風防カバーが便利です。

 

巡礼用持ち運び袋

巡礼時に必要な納経帳、奉納札、数珠、経本、線香、ろうそく、着火具を入れるための袋を「頭陀袋(ずだぶくろ)」または「山谷袋」と呼びます。この袋は肩から斜めに掛けて持ち歩きます。

 

 

霊山寺での参拝方法

 

四国八十八ヶ所巡りのスタート地点である霊山寺での正しい参拝手順を紹介します。この手順は他の札所にも共通しています。

 

  1. 山門での礼拝

 

霊山寺の入口、山門(仁王門)で合掌し、礼をします。山門を通る際は伝統に従い、中央を避け左側を歩きます。

 

  1. 清浄作法

 

手水舎(ちょうずや)で手を洗い、口をすすぎ、体を清めます。詳しい作法についてはリンク先を参照してください。

 

  1. 鐘の撞鐘

 

霊山寺を含む寺院では、鐘を撞いて参拝の開始を知らせることがありますが、すべての寺院で許可されているわけではないため、事前にルールを確認してください。

 

  1. 本堂でのお参り

 

本堂にてご本尊に向かってお参りをします。具体的な手順は以下の通りです。

 

① 灯明として一本のろうそくを点灯します。新しい火を灯すために持参した着火具を使用し、安全に配慮してろうそくは奥から順に立てます。

 

② 線香を三本点火し、香炉に立てます。これも安全と礼儀を考慮して、線香は香炉の中央から配置します。

 

③ 納札、写経、お賽銭はそれぞれ指定された箱に納めます。

 

④ 鰐口を鳴らし、参拝の意を表します。

 

⑤ 合掌し、もう一度礼をします。

 

⑥ 経本に従って読経をします。初めての場合は、小さな声や心の中で読むことから始め、徐々に大きな声での読経に慣れていきます。読経時には数珠を左手に持ち、その持ち方は使用する数珠の種類によって異なります。

 

 

以下の手順で読経を進めていきます:

 

  1. 開経偈の唱和(1回)

「無上甚深微妙法、百千万劫難遭遇、我今見聞得受持、願解如来真実義」

「むじょうじんじんみみょうほう ひゃくせんまんごうなんそうぐう がこんけんもんとくじゅじ がんげにょらいしんじつぎ」

 

  1. 懺悔文の読誦(1回)

「我昔所造諸悪業、皆由無始貪瞋癡、従身語意之所生、一切我今皆懺悔」

「がしゃくしょぞうしょあくごう かいゆうむしとんじんち じゅうしんごいししょしょう いっさいがこんかいさんげ」

  1. 三帰依の唱和(3回)

「弟子某甲、盡未来際、帰依仏、帰依法、帰依僧」

「でしむこう じんみらいさい きえぶつ きえほう きえそう)

 

  1. 三竟の唱和(3回)

「弟子某甲、盡未来際、帰依仏竟、帰依法竟、帰依僧竟」

「でしむこう じんみらいさい きえぶっきょう きえほうきょう きえそうきょう」

 

  1. 十善戒の唱和(3回)

「弟子某甲、盡未来際、不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不綺語、不悪口、不両舌、不慳貪、不瞋恚、不邪見」

「でしむこう じんみらいさい ふせっしょう ふちゅうとう ふじゃいん ふもうご ふきご  ふあっく ふりょうぜつ ふけんどん ふしんに ふじゃけん」

 

  1. 発菩提心の真言の唱和(3回)

「おんぼうじ、しった、ぼだはだやみ」

 

  1. 三摩耶戒の真言の唱和(3回)

「おん、さんまや、さとばん」

 

  1. 般若心経の読誦(1回)

 

  1. 各寺院ごとのご本尊の真言の唱和(3回)

霊山寺の場合:「のうまく、さんまんだ、ぼだなん、ばく」

 

  1. 光明真言の唱和(3回)

「おん、あぼきゃ、べいろしゃのう、まかぼだらまに、はんどま、じんばら、はらばりたや うん」

 

  1. ご宝号の唱和(3回)

「南無大師遍照金剛」

「なむだいしへんじょうこんごう」

 

  1. 回向文の読誦(1回)

「願くは、この功徳をもってあまねく一切に及ぼし、われらと衆生と、みなともに仏道を成ぜん」

「ねがわくは このくどくをもってあまねくいっさいに およぼし われらしゅじょうと みなともにぶつどうをじょうぜん」

 

経文を読んだ後は、合掌して一礼を行います。

 

  1. 大師堂でのお参り

霊山寺の大師堂で、弘法大師にお参りをします。本堂でのお参りと類似していますが、ここではご本尊の真言を唱えないようにしてください。

 

  1. 納経所で御朱印を受け取る

その後、納経所に行き、御朱印をいただきます。

 

  1. 山門での最終礼拝

参拝を終えるにあたり、もう一度山門(仁王門)で合掌し、一礼します。この際、山門の中央は避け、左側を通るのが通例です。

 

これで霊山寺での参拝手順が完了します。

 

 

さいごに

この情報が皆さんの役に立ったかと思いますが、いかがでしたでしょうか?

 

霊山寺、一番札所での適切な行動についての理解が深まったことでしょう。何かわからないことがあれば、お寺のスタッフや他の巡礼者に気軽に質問するといいでしょう。

 

霊山寺は多くの巡礼者にとっての出発点となっており、必要な用具が一通り揃えられています。しかし、霊山寺以外で巡礼を開始する場合、必ずしもその寺院にすべての用具が揃っているわけではありません。そのため、事前にオンラインでの購入を行うか、旅の途中で必要な物を購入することをお勧めします。

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